ベリーミニ知識

ベリーオーチャド下北の栽培品種をご紹介する前に、ベリー類と言われる植物は様々な種類があります。植物学的には全く別のカテゴリーの果実だったりしますが、食用としての見た目や食べ方が似ている小さな果実としての総称をベリー類とよんでいるようです。あいまいですが、大きく分けて4つのカテゴリーがあるのでご紹介します。

 


●ユキノシタ科

レッドカラント、ホワイトカラント、カシス(ブラックカラント)などのフサスグリ類と、グースベリーなどのスグリ類。

 

●バラ科

一般的なイチゴや、ブラックベリー 、ボイズンベリー、ラズベリーなどの木苺類の他、ジューンベリー、アロニアなど。

 

●ツツジ科

ブルーベリー 、クランベリー、リンゴンベリーなど。

 

 

●その他

ゴールデンベリー(食用ホウズキ)やグミ科のグミやスイカズラ科のエルダーベリーやハスカップ、クワ科のマルベリー(桑の実)、マタタビ科のサルナシなど 多種の果実にベリーという呼び名がついています。


栽培しているベリーの紹介

カシス(ブラックカラント)

青森県はカシスの生産量が日本一です。ユキノシタ科スグリ属の落葉低木で、世界的最大産地はポーランドやリトアニアなどの北欧、また、ニュージーランドやカナダなど冷涼な地域で栽培されています。
冷涼な下北半島はカシス栽培が適した地域です。カシスはブルーベリーのように生で食べることはあまりしません。ジャムやリキュール、お菓子やパンの具材、肉や魚料理に添えるソースなど、加工して使われることがほとんどです。

カシスは、抗酸化成分として知られる「ポリフェノール」を多く含み、中でもポリフェノールの1種である「アントシアニン」の含有量が多いのが特長です。

現在ベリーオーチャド下北の圃場では一粒が約1グラムの青森カシスの他ジャンボカシス「チタニア」の増殖 生産に最も注力しています。


ブラックベリー

ブラックベリー (Blackberry) は、バラ科キイチゴ属の一群の種または1種の低木およびその果実です。

ブラックベリーの栽培は19世紀に北アメリカで始まりました。

雑種や変種が多いのでその分類は非常に困難ですが、ベリーオーチャドしもきたでは、棘のない(ソーンレス)品種を栽培しています。

温暖な気候を好むので暖地での栽培に適していますが、北緯41度の当地でも立派に結実します。

ベリーオーチャドしもきたでは、現在ボイズンベリー同様に栽培主力にしています。

完熟したブラックベリーを掌にたくさん載せると甘く豊潤な香りにつつまれます。

日持ちが短いため遠隔地へは冷凍で送るしかありません。香りを楽しみながら生食するには栽培地に来て味わう外ないのが残念?なブラックベリーです。

生食用完熟の収穫時期はボイセンベリーよりも少し遅くなりますが、ソーンレスのブラックベリーは果実だけではなく、花卉としてフラワーアレンジメントでも使用されています。 


ボイズンベリー

ボイズンベリー(Boysenberry)はベリーフルーツの中でも大きく、1個の重さは約8グラム。(サクランボの大玉 品種である佐藤錦は約7グラム、ブラックベリーは約5グラムです。)

日本ではまだあまり知られていませんが、欧米ではベリーといえばボイズンベリーというほど人気のベリーといわれています。深く綺麗な赤紫色、甘酸っぱい味、芳醇な香り、高い酸化防止性(抗酸化機能はブルーベリーの6倍以上の価も報告されています。)

や微小血液循環や静脈血流の改善、視力の向上・・・。

学術名はRubus sp.Hybrid"Boysen" ( ルバス属雑種ボイズン)。

「ボイズン」は1920年代後半にこのベリーの品種改良株を初めて選抜し栽培に成功したカリフォルニア北部の農場主の名前に由来します。

その後、1937年にアメリカからニュージーランド紹介されました。以来、ボイズンベリーは同国で盛んに栽培されるようになり,現在ニュージーランドは世界一の生産国であり輸出国です。

ボイズンベリーは約マイナス15℃の耐寒性があるとのことでしたのでベリーオーチャド下北では2007年から栽培に取組み、一時は2,000株まで増殖したのですが、下北半島斗南丘はボイズンベリーには酷寒でした。今は数十株を残すのみです。


レッドカラント(赤房すぐり)

ユキノシタ科スグリ属の落葉低木。西ヨーロッパ原産。果実は赤く熟すとルビーのように輝いた赤い色になります。レッドカラントの実は直径5~10mmほどの球形で、蔓状の軸に房状に沢山の実がなります。(赤房スグリと言われる所以です。)

レッドカラントは酸味が強く主にジャムやピューレにして様々に楽しむことができます。

シェイクやカキ氷にすると目でも味わうことができます。デンマークやフィンランドなど北欧諸国では北欧の長い冬の大切なビタミン補給として肉料理のソースやジャム、ジュース、ケーキの材料など様々に利用されています。

ルビーのような透明な赤い色に北国の短い夏の光が凝縮されています。

下北半島には明治時代に移植されたと伝えられています。

ベリーオーチャドしもきたのレッドカラントが陽の光に赤く輝く様は北国に夏が来たことを感じさせてくれます。下北半島の夏は8月中旬まで。下旬には涼しい風が秋の到来を伝えます。


ホワイトカラント

ヨーロッパ原産のホワイトカラントはレッドカラントの白実種です。

レッドカラントよりも酸味が弱いので生食にも向いています。甘いブドウのような香りで、お菓子やジャムに向いています。しかし、希少のため量の確保は困難な状況です。現在苗木増殖に注力しています。

完熟状態では種が透けて見えます。レッドカラントは北国の夏の光を凝縮したように輝きますが、ホワイトカラントは葉蔭で涼やかに盛夏を楽しんでいるような風情があります。赤と白透明の姿を眺めていると、自然の奥深さと隣り合わせにくらしている心地がします。

 


ブルーベリー

ブルーベリーはツツジ科コケモモ属の小果樹の中の、食用となる実を付ける種類の少将となています。名前の通り青い実を付けますが、その種類は沢山あります。

ベリーオーチャド下北でも数種類のブルーベリーを栽培しています。

海外からの輸入が年間を通じてされているため特に旬がない感じですが、国産の下北半島のブルーベリーの旬は7月~8月に収穫されます。生食でも美味しく食べやすいですが様々な加工品も用いられています。

ブルーベリーの薬効として一般によく知られているのは、目の疲労をやわらげ視力低下を防ぐと共に視力向上させる効果です。

ブルーベリーに含まれるアントシアニンが目の網膜視細胞で光を伝達するロドプシンの再合成を促進する働きがあると言われています。


グズベリー(西洋スグリ)

グズベリーはヨーロッパから西アジア辺りが原産とされる低木の植物になる果実です。似た物にレッドカラントやホワイトカラントなどがありますが、それらが房状に実を付けるのに対し、グースベリーは1個から2個の実が枝に沢山鈴なりに成ります。また、枝に棘があるのも特徴です。

色々な品種があり、実の大きさや色は品種によって緑や赤褐色などがありますが、大きく分けると西洋スグリとアメリカスグリがあり、グースベリーはそれらの総称となっています。
下北半島は昔は畑の片隅にグズベリーを植えている方が多く、未完熟のかなり酸味が強い青い実をジャムにして食べていたようです。現在でも時期になると地場産のグズベリーが店頭に並びます。強い酸味の成分クエン酸は体内の酸性物質を減少させる効果や、疲労回復と血液を綺麗にする働きがあるとされています。


ラズベリー

ラズベリーはフランス語でフランワーズと呼ばれバラ科の植物で、木苺の一種になります。

ベリーオーチャド下北は赤・黄・黒の三種類のラズベリーを栽培しています。

日本の天然ラズベリーはニガイチゴ(いわゆる木いちご)や黄色いモミジイチゴが知られていますが、圃場に隣接している林には自生しているもモミジイチゴもあります。

ラズベリーのあの独特の良い香りには、ラズベリーケトンという成分が含まれていて、脂肪燃焼効果があるとされています。構造がトウガラシのカプサイシンに似ていて効果はカプサイシンの約3倍と言われています。またペクチンという水溶性食物繊維が豊富です。ラズベリーは日持ちしないので収穫したらフレッシュで楽しむか、保存する場合は生身やピューレを冷凍保存するのがおすすめです。


アロニア

アロニアは北米原産のベリー系のバラ科の小果樹。花の構造がナナカマドに似ていることから、ロシアでは「黒い実のナナカマド」と呼ばれており、テレビ等では「(ブラック)チョークベリー」という名で紹介されることもあります。

耐寒性を有していることから主に北米やロシアで栽培されており、日本では1976年(昭和51年)にソビエト連邦(現:ロシア)から農林水産省果樹試験場に種子が導入されたことをきっかけとして栽培が開始されました。

ブルーベリーやハスカップよりも豊富なポリフェノール成分を含有しており、特に目の疲労回復や機能改善に効果があると言われているアントシアニンが多いのが特徴です。その豊富な成分量ゆえに生果実を食すと若干の渋味と淡い苦味が残ることから、食用には加工するのが一般的です。


ケープグズベリー(食用ホウズキ)

見た目は黄色いミニトマト、香りはトロピカルフルーツ、味はベリー系の酸味と糖度13~15度ほどになる甘みを持つ「ケープグーズベリー(食用ほおずき)」は、標高が高い山間地でしか育たない貴重な作物です。

果実に甘みがあり食用にされます。英名のケープグーズベリーは香りがグーズベリーに似ており、南アフリカのケープ地方で盛んに栽培されたことによります。夏から秋にかけて薄黄色の花を咲かせます。秋に熟したら収穫しますが、未熟な果実は食べないようにしてください。果実には多くのビタミンAが含まれており、甘酸っぱくやや弱い苦みがあり、砂糖漬け、ジャム、ソースなどに用いられます。

“フルーツほおずき”や“ストロベリートマト”、“ゴールデンベリー”とも呼ばれるケープグーズベリーは、そのまま丸ごと食べるほか、刻んでサラダに入れたり、チーズやヨーグルトなどとの相性も抜群です。ビタミンや鉄分が豊富に含まれ、機能性野菜、健康維持食品として注目を集めています。


2020年新たに栽培をはじめた品種

ジューンベリー
ジューンベリー
ローズヒップ(ハマナス)
ローズヒップ(ハマナス)
リンゴンベリー
リンゴンベリー(コケモモ)
ワイルドストロベリー
ワイルドストロベリー


2021年度から栽培予定品種

エルダーベリー
エルダーベリー
サルナシ(コクワ)
サルナシ(コクワ)
ハスカップ
ハスカップ
クランベリー
クランベリー


野菜やハーブ・果樹の紹介

ベリー以外の果樹・野菜やハーブも栽培中です。色々な種類に挑戦中!!

パセリ
パセリ
コリンキー
コリンキー
バターナッツ
バターナッツ
ミニトマト
ミニトマト

ヒメリンゴ
ヒメリンゴ
チェリー
チェリー
ペパーミント
ペパーミント
アップルミント
アップルミント

バジル
バジル
セージ
セージ
ルッコラ
ルッコラ
チャイブ
チャイブ

ボリジ
ボリジ
レディスマントル
レディスマントル
タイム
タイム
バターナッツにお絵かき
バターナッツにお絵かき